料理にプラスチック片が入っていたら
どうも千日です。楽しいデートでの食事中、自分の料理に異物が入っていたら?
もしくは、彼女の料理に異物が入っていたら?
ブルータスが夏休みで今日からウチにステイすることになりました。コマシなレストランで食事をしようと妻とブルータスと私の3人で出掛けたんです。
食事の前にちょっとしたことで妻が不機嫌になり、せっかくのレストランでの食事がピリピリしてしまってた時の出来事でした。
スプーンから口に運んで噛んだ時に、鯛の骨を縦に噛んでしまったような歯茎への痛みがあり、口から出して見ると全長1cm位の三日月型の薄く硬いものでした。
それがプラスチック片らしいというのは後で支配人から聞きました。
こういうのは千日は必ず店に言うようにしてます。良いと思う店なら尚更で、注意喚起と再発防止に努めて欲しいからです。
いつもなら出来るだけソフトに、威圧的にならないように伝えるんですけど、今日の千日は妻のイライラが伝染してました。
千日『ちょっと』
手を上げて支配人らしき男性を呼びました。
千日『何で料理にこういうものが入ってるんですか?』
支配人『エッ?どれでございますか?……これは……!誠に申し訳ございません。お口の中にお怪我などございませんでしょうか?』
千日『大丈夫です』
支配人『すぐに代わりの料理を持って参ります』
料理もほぼ8割がた食べ終わってましたし、正直満腹で純粋にもう食べられなかったんですが…特にそのような説明もせず。
千日『いえ結構です』
それで支配人は引っ込みました。
少しして注文していないデザートを三つ持って来てくれました
支配人『先ほどのモノはどうやらプラスチックの欠片だったようです。厨房で破損した物が無いか調べたのですが、何も壊れた物はありませんでした』
千日『そうですか』(視線はデザートに釘付け)
支配人『さらに調査致しまして、分かりましたらご連絡差し上げたいと思いますので、もし差し支えありませんでしたら、お名前と電話番号を教えて頂けますでしょうか?』
千日としては、既にその事はどうでも良くなってましたし、視線はデザートに釘付けでした。
しかし、後で教えてくれるというのを無下に断る理由もありませんでしたし、名刺も頂いたので、名前と住所と電話番号を書きました。
支配人が引っ込んでから…
千日『ね?私のおかげでデザートがタダになったよ』(笑顔)
ブルータス『でもお腹いっぱいデス』(笑顔)
妻『私ももう食べられないよ』(笑顔)
いつの間にかピリピリしたムードは無くなってました。千日としては、むしろ有難い位です。
皆、お腹いっぱいだと言いながらデザートを平らげました。
そして会計でのやり取り
支配人『本日はお代はご勘弁下さい』
千日『イヤイヤ、殆ど食べましたし』
支配人『いえ、本当に、お代を頂戴する訳には参りません、どうかご勘弁下さい』
千日『でもポイントが…まあイイか(笑)ではお言葉に甘えさせてもらいます』
ポイントっていうのは、妻がそのレストランのポイントカードを財布から取り出してたからなんですが、無料になった方がいいですよね(^_^)a
ちょうど入り口の所で待っているお客さんも居ましたので、あんまり押し問答するのもどうかと思い、支配人の申し出を受け入れました。
千日『ね?私のおかげで食事代がタダになったよ』
妻『そうね』(苦笑)
ブルータス『日本に来てからこんな事は初めてです!』
無料にするのは謝罪の意味だけではない
店側の謝罪の意味ももちろんありますが、店側として積極的に代金を受け取りたくない動機もあるんです。
それは以下の二つです。
- 正当な対価ではないから
- クレーム•風評被害からの防御
1.正当な対価ではないから
レストラン側としてはそれが良いレストランであればあるほど、提供する物は食べ物だけではないからです。
気持ち良く食事をする心地よい空間と時間を提供しているのです。当然、食事については水準以上の安心と信用が必要なんです。
提供した食事に異物が入っていたらそれらが、全て無になってしまうんです。今回の支配人の対応はなかなか見事なものでした。
まず誠意をもって謝罪する
作り直しを申し出る
作り直しを拒否されたらせめて代わりのサービスを申し出る(無料など)
事の経緯や考えられる原因を説明する。現時点で分からないことは後日であっても説明する態度を見せる
今回のケースでは千日が作り直しを拒否したので、代わりにデザートのサービスを受けました。なので私的にはこれでチャラでいいと思っていたのですが、代金も無料になりました。
代金の無料を切り出すのは、微妙な駆け引きがあり、支配人の力量が試される場面です。
一般的にお客にもプライドがあるからです。下手な切り出し方をすると、『無料にしてもらいたいからイチャモンをつけてるわけじゃないよ!』とさらに状況を悪化させてしまうんですよね。
例えば『お代は結構です』なんて言い方よりは『ご勘弁下さい』『頂く訳には行かないのです』というニュアンスを前面に出すようにします。
2.クレーム•風評被害からの防御
代金を受け取らない方が、店としては安全なのです。
今回の支配人は千日達がいわゆるクレーマーではないことは、分かったと思いますが、慎重を期したのでしょう。
代金を受け取るということは、店として異物入りの料理に代金を払わせたということになります。こじれた場合にクレーマーと化した元客に付け入る隙を与えてしまいます。
万が一、後でこじれた場合、店と顧客という関係性が維持されるのは店としては不利です。
代金を貰わなければ、その相手は客ではないのです。それに、店の実名入りでTwitterなどのSNSで拡散するというリスクも大きいです。
このレストランには、また行きたいと思います。

